~県立大生2人が会社設立・運営へ
共に学び豊かに暮らす 地域に良い影響与えたい ~学びの探究プログラム計画も

長野県立大学2年の九里美綺(くのりみき)さん(19)と3年の川向思季(かわむかいしき)さん(21)が、地域の空き家を活用した学生向けのシェアハウスを始める。2人は「シェアハウスに住む学生が共に学びながら豊かに暮らせるようにし、それぞれの活動を相談し合いながら進めていける仕組みをつくりたい」としている。

住まいや暮らしに関心がある代表の九里さんと、学ぶ場づくりに関心のある川向さん。2人は、県立長野図書館の交流スペース「信州・学び創造ラボ」の活用策を話し合うなど、地域の課題に向き合う活動をする中で、暮らしの豊かさと人とつながる豊かさの両方併せ持ったものを築きたい―と話し合い、その手段として、昨年秋頃からシェアハウスの運営を考え始めた。

地域にある空き家の活用をテーマにした大学の授業をきっかけに、2人は7~8年間空き家状態だった三輪地区にある5LDKの民家を知り、大家の男性(55)と交渉し、シェアハウス用に借りることになった。入居者は女性のみ5~7人とし、現在募集中。3月中旬から入居できる予定だ。

2人はこれまでの活動を通じて、学生が地域に入って活動する難しさを感じていた。川向さんは「住民と学生との間に行き違いが生まれるのは、お互いを理解していないから。お互いを知り、うまくマッチングできれば、学生はもっとやりたい活動にチェレンジできる」とし、「学生の前向きな活動が地域に良い影響を与える、そんな仕組みをつくりたい」と話す。

シェアハウス事業を始めるにあたり合同会社「キキ」を立ち上げる計画。会社名は、自分たちの事業や、新たなチャレンジをする学生が、木のようにこの街に増えて、いずれ森のようになってほしいと願って名付けた。

来年度以降は、シェアハウス事業だけでなく、地域を舞台にした学びの機会を学生に提供しようと、住民などを巻き込んだ学びの探究プログラムを計画している。

「コロナ禍で多くの授業がオンライン受講になるなど学生たちは社会的孤独感を抱えている。シェアハウスに入居する学生が持つ、それぞれの人のつながりを互いに結びつけ、広げたい」と九里さん。

2人は、事業を軌道に乗せ、善光寺周辺など他の地域にも物件を増やしていきたいとしている。

記事 松井明子
写真 森山広之

写真=シェアハウスを始める民家で部屋の模様替えについて話す九里さん(左)と川向さん