一般市民への販売は行わないが… 長商生の力を示したい

●22・23日…生徒が販売員・お客役で実習

●24・25日…保護者対象ドライブスルー

長野商業高校(妻科)の生徒が毎年10月下旬に行う販売実習「長商デパート大売り出し」。今年は、新型コロナウイルス感染防止のため一般市民への販売を行わず、生徒同士の販売と保護者対象のドライブスルー販売を22日(木)から25日(日)に行う。

長商デパートは1916(大正5)年から続く伝統行事で、今年で96回目。例年、全校生徒でつくる模擬株式会社が校舎内外に生鮮食品から自動車まで約20の売り場を設け、販売している。昨年は3日間で1万3000人が来店。3100万円を売り上げた。

本年度は新型コロナの影響で5月まで臨時休校に。デパートの中止も検討された。「長商デパートの社長をやるために長商に入った」と話す社長の3年生、中野桜子さん(18)は一時、「ショックで心が折れた」。しかしその後「何とかできる方法はないか」と、オンライン販売や訪問販売などさまざまな形態を検討。前例のない長商デパートの開き方を、仲間と練り上げてきた。

22日、23日(金)には、生徒同士で販売員と客の役を交代しながら販売実習をする。商品は文房具や衛生用品、おでん、いか焼きなど。インターネットを使った生徒アンケートでマーケティングを行った結果だ。

24日(土)と25日には保護者へのドライブスルー販売。商品は全国の銘菓や野菜、生活雑貨など121品目で、事前に注文を取って仕入れ、客ごとに袋詰めして準備。当日は校庭に来た保護者の車まで生徒が運んで届ける。

売り上げ目標は230万円と例年の1割以下で、経費も極限まで抑えた収支計画を立案。一方で実習の意義を重視し、社員研修に力を入れた。感染症対策マニュアルも各部署で作り、研修を重ねる。小宮大教諭(32)は「細かなところまでかなり頭を使って準備している。生徒たちはデパートを通じて日々成長している」と見守る。

中野社長は「保護者の皆さんに、『お客さまに喜んでほしい』という生徒の気持ちが伝わればうれしい」。市民向けの販売をしないことには「申し訳ない気持ちでいっぱい。でも今回、これまでの形態でなくても新しい発想でデパートを開ける長商生の力を示したい。来年の長商デパートに期待してほしい」と話している。

記事・写真 竹内大介

写真=デパートの開催準備に当たる中野社長(前列左から5人目)と取締役の2・3年生たち