12~18日 長沼歴史研究会が写真展 堤防決壊の原因を検証・考察
~長沼・豊野の住自協など「集い」

台風19号による水害から間もなく1年。長野市内の被災地では、住民自身が災害を振り返ったり、復興を願ったりする催しなどを計画している。

千曲川堤防が決壊して濁流が流れ込み、甚大な被害を受けた長沼地区。住民有志の「長沼歴史研究会」は10月12日(月)から18日(日)の10時から15時、災害を振り返る写真展を津野の※妙笑寺(みょうしょうじ)で開く。(※妙は玄に少)

展示する写真は長野市や須坂市の市民から募った。濁流に破壊された住宅、災害ごみとして捨てられた家財道具の山、泥をかぶって地面に落とされた大量のリンゴの実―。被害の実態や復旧の様子を物語る写真をA4判の用紙に印刷し、約100点を展示する予定だ。

18日13時半からは、研究会員が歴史災害から堤防決壊の原因を検証・考察した結果の発表も行う。

会は2008年から、同地区にあった長沼城について研究。城については江戸時代前期に廃止されたこと、度重なる千曲川の水害で遺構や史料が流失したことで、位置や規模が分かっていなかった。会は地区内に残っていた絵図や検地帳を調べ、城の姿を解明。研究書や復元図にまとめてきた。

それによると、長沼城があったのは昨年堤防が決壊した地点。さらに「同じ所でこれまでに何度も川が切れている」(笹井妙音会長)という。今回の水害の検証結果は、過去の絵図を示し、災害後に国に開示請求した資料なども基に発表する。笹井会長は「堤防は切れるべくして切れた。その事実を知ってほしい」と話している。

長沼地区住民の実行委員会と住民自治協議会は11日(日)10時から、「10・13を忘れない 追悼と復興のつどい」を仮設長沼支所駐車場と近くの堤防で開く。犠牲者に黙とうし、災害ごみ置き場として私有地を提供した個人や企業に感謝状を贈呈。住民有志が太鼓を演奏し、風船を飛ばす。

豊野地区でも実行委と住自協が13日(火)10時から、「10・13を伝えていく集い~ありがとうをあなたに」を豊野温泉りんごの湯で行う。黙とうし、地区内外の支援者に感謝状を贈呈、新しい地区のキャラクター「ゆたかちゃんJr(ジュニア)」のお披露目などを行う。

記事・写真 竹内大介

災害アーカイブ展 ~16日まで市役所で

「災害アーカイブ展~令和元年東日本台風から1年」が10月16日(金)まで、長野市役所市民交流スペースで開かれています。

信大教育学部の広内大助教授(地理学)の研究室が企画。災害の記録を保存・継承し、備えにつなげることを狙いに開いています。

昨年10月の台風19号災害の被害やボランティア活動の様子などを伝える写真パネルを約40点展示。2014年の神城断層地震や16年の熊本地震に関するデジタルアーカイブも紹介しています。入場無料。9時から17時。

展示は、12日(月)から16日に県庁ロビー、27日(火)から31日(土)に長野駅ビルMIDORIりんごのひろばでも行います。

(問)信大広内研究室(電)238・4090
(2020年10月10日号掲載)

写真=展示予定の写真を見つめる笹井会長。決壊地点に近い妙笑寺の住職夫人で、水害の朝は自衛隊ヘリで救助された。まだ寺の片付けや復旧作業のさなか。「必死の1年。あっという間だった」