戸隠神社 中社大鳥居 建て替え工事進む ~巨大なヒノキ 丸太の状態から

写真=小屋の中で、白衣を着て製材作業に当たる職人たち。柱になる部材は、長さ約12メートル、重さはそれぞれが4㌧以上ある。作業の様子は小屋の外から見学できる。7月から8月の土曜日に4回、戸隠地区住民を対象にかんな掛けの体験会も開く予定だ

下左=古い大鳥居が撤去され、作業小屋で製材が行われている中社の広庭

下右=80年以上立っていた古い大鳥居(今年1月撮影)。解体された部材は、戸隠観光情報センター駐車場の一角に展示され、自由に見学できる

大鳥居の建て替え工事が進む戸隠神社中社の広庭。傍らの作業小屋からヒノキの香りがほのかに漂ってきた。中では、電動のこぎりや電動かんなの音を響かせ、真剣な表情の職人が巨大な部材を加工する作業を進めていた。

これまでの鳥居は1937(昭和12)年に建てられたとされ、築83年。老朽化に伴う倒壊の恐れが指摘され、神社は平成から令和への「御代替わり」と、来年4~5月に予定する式年大祭を記念し、建て替えることに。古い鳥居は4月15日に解体された。

国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定された景観を守るため、新しい鳥居は形と大きさを踏襲。高さは11メートル、最上部の笠木の幅は15・6メートル。設計した日本伝統建築事務所代表の宮川和工さん(40)=戸隠祖山=は「今後、これだけの大きさの鳥居が木造で建てられることは、全国を見てもまずないだろう」と言う。

材木は、古い鳥居は奥社の杉を使っていたが、今回は奈良県で買い付けたカナダ産ヒノキ。これだけの巨大な外材が丸太の状態で国内にあったことは珍しく、幸運なケースという。機械で大まかに加工された材木は4月23日、トレーラーで広庭に運び込まれた。

ここからは職人が手作業で削り出していく。左右2分割の笠木は、天に向かって伸びやかに反る形に。直径約90センチの柱は、現在8角形の断面を16角形に、さらに32角形にし、徐々に円形に近づけていく。

8月のお盆前に製材を終えて作業小屋を撤去。9月上旬からクレーンを使って、下側の水平部材「貫」を差し込んだ柱を建て、その上にさらに上部の部材を載せていく。竣工は10月の予定だ。

「100年先までの歴史をつくっていくつもりで作業に当たりたい」と宮川さん。宮司の水野邦樹さん(63)は「新たな神様の力をいただけるようになる」と新しい鳥居に期待を寄せている。

記事・写真 竹内大介