山本さん(川中島町)ら法人設立「つながり合うことで元気に」CFで資金の支援募る

山本里江さん(49)=川中島町=は、レット症候群という神経疾患がある次女佳奈さん(16)が、昨年体調が悪化し、胃ろう注入、気管からのたんの吸引などの医療的ケアが必要になったことをきっかけに、同じ境遇の保護者向けに、保護者目線の情報をまとめた冊子作りに取り組んでいる。

冊子には、自宅で行う医療的ケアの方法、ペースト食に対応するバリアフリーの飲食店などの情報を掲載。医療監修は県立こども病院(安曇野市)に依頼。「不安を軽く! 楽しむ医ケア生活」とタイトルを付け、来年4月に1000部の発行を目指す。山本さんは「子どもと一緒に出掛けるのをあきらめたり我慢してきたりした人も、家族での楽しい時間を過ごしてほしい」と願う。

山本さんは、夫と次女の佳奈さんとの3人暮らしで、長女は県外の大学に通う。仕事が多忙な夫はケアに関われないため、佳奈さんのケアは山本さんが行っている。  早朝からの気管吸引ケア。平日は養護学校と週3回の放課後デイサービスがあるが、休日は1人で医療的ケアを担う。経口の食事や入浴の介助などをしながら、ケアは就寝まで続く。吸引のために夜中に起きることも。日中は横になるなどして、寝不足で体調を崩さないよう気をつけている。

胃ろう注入のタイミングなど、さまざまなケースを自分で判断しなければならない中、医療的ケア児を育てる保護者仲間のアドバイスが、山本さんの力になった。初めての医療的ケアに戸惑う親たちの疑問や不安を解消してくれるような冊子があったら助かるのではないか―と、以前勤めていたデザイン会社での経験を生かし、アイデアを紙に書き起こした。

冊子作りと並行し、活動を広げていくために、10月に一般社団法人「医ケアの輪」を設立。県内の医ケア児の父母3人が理事だ。ホームページを開設し、保護者同士の交流や情報発信の場にしていく。「これまで出会ってきたお母さんたちの明るさが心に残っている。つながり合うことで『大変なのは自分だけじゃない』と元気になれる」と山本さん。外に働きに出ることができない親たちのために、ホームページに掲載する記事執筆を依頼したり、手作り品の販売などで、継続的な仕事も提供したいという。

11月30日(月)まで、県信用組合のクラウドファンディング(CF)サイト「Show Boat」で、冊子とホームページ制作のための資金の支援を募っている。

記事 松井明子
写真 森山広之